【システムウイング便り】 ECAD DCX/dio 2020の感想 【2020年3月26日】

いつもお世話になっております。
システムウイングの岩崎です。

私の方でECAD DCX/dio 2020の新機能を使ってみました。
その感想を皆様と共有したいと思います。
個々の機能の感想を述べると前に全体像を一言で言うのならば、
「一つ一つは地味ですが、使える機能は結構ありそう」という感じです。

全項目をチェックした訳ではありません。
私がチェックしていない項目は皆様の方で評価してみて下さい。
また詳しくは「機能追加変更ガイド2019→2020」をご覧ください。

「ECAD dio/DCX共通」

1. 共通機能

・文字サイズの縦横比の固定化

文字入力で縦のサイズを変えたら同じ比率で横幅も変わるというものです。
 これまで電卓で計算しながら横幅を入力していましたが、この作業が無くなるので便利になると思います。

・文字の領域と背景色

 文字を外枠でを囲んだり、背景に色を付けられる様になったので文字の表現が豊かになると思います。

・数値指定コントロールの演算対応

 座標入力に計算式が使えるので電卓でその都度計算する必要がなくなりました。

・寸法線入力時の図形自動認識の改善

 スナップで「端点」「中点」「交点」を使うのと近いのですが、スナップで思うように吸い付かない時に
 効果があります。

・オフセット距離の指定方法の改善

 オフセット対象図形からの距離をマウスの「Shift+左クリック」(デフォルトの場合)で距離を
 取得して、さらに計算式を使えるので便利な機能だと思います。

【注意】
 今回、「機能追加変更ガイド2019→2020」では「機能入力」という表現がよく出てきます。
 マウスに割り当てる機能の一つですが、デフォルトでは「Shift+左クリック」に「機能入力」
 を割り当てています。
 ここでは機能入力は「Shift+左クリック」を前提に説明します。「Shift+左クリック」以外を
 割り当てている場合は置き換えて読んで下さい。


・位置指定モードに応じた座標入力の省略

 移動先や、複写先を指定するとき、水平モードではY座標、垂直モードでX座標
を省略できます。X、Yのどちらに0を入れるか悩まなくていいので、これはいいですね。

・等間隔で複写・移動を継続するモード

 一個一個を等間隔で複写したい時は便利になると思います。

・任意多角形領域での図形選択

 これまで四角で選択して後に、不要な図形を「解除」していました。
 これが任意の多角形で選択できるので効率よく選択できるようになると思います。

・図形グループから任意の図形を取り除く

 例えば3つの図形をグループ化することで、その中の1つを選択すると3つ同時に選択されます。
 但し、その中の一つだけ移動や削除したい場合は一旦、グループ解除しなければなりません。
 それをグループ解除しなくても一つだけ選択して移動や削除が出来るというものです。
 オプションダイアログの「図形グループ」のON/OFFによって動作が切り替わります。
 グループ内の個々の図形を選択するにはOFFにします。
 地味ですが、確かにこれを使いたい時はありますね。

・引き出し形状属性の変更対応

 引き出し線の属性を変えたい時に、書き直す必要がないので便利になると思います。

・利用フォルダの前回値保持

 これまでは図面やファイルの一覧表示は最上位のパスが選ばれていますが、
 今バージョンより前回選んだパスが引き継がれるようになりました。
 以前から要望が多かったので、これは嬉しい改善だと思います。
 環境設定の「インターフェース設定」→「ファイル操作」→
 「前回利用したフォルダを記憶する」をONにする必要があります。
 これは結構、リクエストがありました。

 (ツリー表示モードをお使いの方は関係ありません)

・図形尺度の簡易表示

 人によっては便利であったり、邪魔と思うかもしれません。一度、試してはいかがでしょう。

・帳票ページ作成の出力先ファイルの形式追加

 帳票をファイル作成した場合に出来るファイルの拡張子これまでは TXT 固定でした。
 そのためExcelで開くためには前もって、TXTからCSVに変更する必要がありました。
 これが初めから拡張子をCSVで作成できるというものです。


・ECAD 翻訳機能の改善

 マイクロソフトの有料サービスを使って、図面の文字を英語や中国語に変換するというものです。
海外と図面をやりとりする会社には有効だと思います。
以前からありましたがマイクりソフトの最新バージョンに対応したということです。


2. 作図エディタ

・中間線

 今回新たに追加された機能です。役に立つか変更ガイドを参考にして試してみて下さい。

・中心線

 これまで四角形や円のみでしたが、長円や円弧も対象になりました。

・寸法線入力

「寸法線入力」というメニューが追加されました。
 解りにくいのですが自動で直線や円、円弧かを判断して、「2点間寸法線」または
「直径・半径寸法線」モード になるというものです。
スナップで「端点」「中点」「交点」を使うのと近い機能ですが、スナップのON/OFFや
カレント尺度に関係なく直線や円、円弧を判断します。
これまでスナップを効かせても、吸い付かないという時に効果がありそうです。


・文字列置換

 これまで文字列置換は一文字のみでしたが、複数の文字を同時に変換するというものです。

・オフセット

 以下の様な変則的な多角形は、図形上で「Shift+左クリック」して、距離を入力すれば
 オフセットが行われます。(全辺選択する必要が無くなりました)


・ハッチング

 以下の様な変則的な多角形は、閉領域で「Shift+左クリック」して「右クリック」
 するだけでハッチングが行われます。(全辺選択する必要が無くなりました)


・図形グループ化

 グループ同士を再グループ化する時に、単一のグループにするか階層化するかを指定できるようになります。


3. 環境設定

 これまでの機能のいくつかは環境設定で、有効/無効を指定します。


「ECAD DCXのみ」

・複写・移動で構成部品割り当て状態の維持

 これまでは「構成部品割り当て」がされているシンボルを、カウントアップ複写すると複写先は「構成部品割り当て」が
 解除されていました。これを「構成部品割り当て」が維持されるようになりました。

・部品DMTの改善

 部品を複数選択して同時に「構成部品割り当て」が出来ることで作業効率がよくなると思います。
 アイコンの種類でコイル、接点、リファレンス枠か解るようになりました。

・リファレンスジャンプ

 リファレンス枠から図面のシンボルにジャンプできるのは便利だと思います。

・エラー通知

 エラー通知から図面のシンボルにジャンプできるのは便利だと思います。

・構成部品の更新

 これまで部品マスタを修正したら、図面の部品一個一個に再割り当てが必要でしたが、これをまとめて図面に
 反映させることが出来るようになりました。これは便利だと思います。

・構成部品配置(プレビュー表示)

 これまで部品マスタから回路シンボル、外形シンボルを配置する時にプレビューがなく大変不便でした。
 今回からは一つの部品に複数の回路シンボルがあってもプレビューで判断できるようになり助かります。


以上です。

2020年04月22日